わずか1ページ又は見開き2ページの紙幅で、難解な哲学概念の本質を説明することに成功しています。
このような仕事は、哲学への真の理解と愛情、専門家やリテラシーのある読者からの批判を恐れない勇気、見えない概念を図解するクリエイティビティがなければ、なし得ないものであり、著者の田中正人氏と監修者・編集者の斎藤哲也氏のまさに「超人」的な活躍に、ただただ畏敬の念を覚えるばかりです。
本の装丁や手に取ったときの触感もプロダクトとして心地よく、著者の田中正人氏のデザイナーとしてのこだわりが感じられ、本棚にいつまでも飾っていたいと思える本です。
ギリシャ哲学から現代思想に到るまでの西洋哲学の蓄積の系譜をたどることができるので、哲学・思想史のテキストとしても非常にすぐれています。