芦花公園著「異端の祝祭」角川ホラー文庫

Twitterでおすすめされていたのを覚えていて、ブックオフに売っていたので購入。読み出したら一気読みで止まりませんでした。なんだこの面白さは…
貴志祐介先生の「黒い家」や、平山夢明先生の「東京伝説」シリーズ、翻訳だと「羊たちの沈黙」などの結局一番怖いのは人間だよね系のサイコホラー小説が大好きで、幽霊がどストレートに出てくるホラー小説にはどちらかというと苦手意識があるのですが、一人称で展開される幽霊が視えてしまう描写にゾクゾクする生々しさがあり、超常的でありながら嘘くさくならないリアリティラインの引き方が見事で、途轍もない才能を感じました。
新興カルト宗教、大学の民俗学教室、闘う霊能力者、ミシャグジ信仰、探偵小説のフォーマット(謎解きの「依頼と代行」)で進行するストーリーと、私の好物がてんこもりで非常に楽しく読みました。
読了後、興奮冷めやらぬまま書店に走り、続編の「漆黒の慕情」と「聖者の落角」で買いました。非常に楽しみです。